A Dai is Not A Dai
文字から原像へ、抽象から具象へ
Year 2025
Scope Graphic, Book
Overview
「大」という文字を新たに造形し、黒い図形の中に白い線を用いて「人」の情報を描き出す試みを行いました。漢字は象形文字であるため、本来は絵画的な性質を持っており、東洋美術史家のアーネスト·フェノロサはこれを「思想絵画」や「身振り言語」と呼んでいます。
特に「大」という漢字は、正面を向いた人の姿そのものを表しており、人の形を描いたものです。漢字が成立する過程では、使用の利便性を追求する中で簡略化が進み、人の動作や服装、体型などの情報が省略され、最終的に三画で構成される抽象的な記号「大」へと変化しました。
今回の創作プロセスは、その逆のアプローチ、つまり文字から原像へ、抽象から具象へと遡る試みです。黒い図形だけを見ると「大」という漢字として認識できますが、白い線と組み合わせることで、さまざまな人の動作や服装、手足の様子といった情報が徐々に浮かび上がってくる仕組みになっています。
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